メニエール病治療

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メニエール病の治療 とはどういうもの?具体的な方法を詳しく解説

公開日
更新日

 
執筆:須賀 香穂里(ライター)
 
 
「突然身体がぐるっと回ったような感じがする」
「ふわふわ宙に浮いている感じがする」
「谷底に引きずり込まれるように感じる」
 
こんな“めまい”の経験がもしあったなら(1)。もしかすると、そのめまいは「メニエール病」の可能性もあり得ます。メニエール病とはどういうものなのか、治療法にはどのようなものがあるなか、「 メニエール病の治療 」を中心に、解説していきます。
 
 

メニエール病とは?

 
メニエール病とは、難聴耳鳴り、耳閉感など、耳症状と共に強い回転性のめまいを感じる疾患です(1)。メニエール病を発症した場合、発作的なめまいが数分から数時間続きます(1)。
 
この疾患の原因は、耳の内耳と呼ばれる部分にあるリンパ液の量が増え、水膨れ状態を引き起こす「内リンパ水腫」が原因であると考えられています(2)。内耳には蝸牛という音を受容する器官と、平衡感覚を司る三半規管と耳石器というものがあります。メニエール病を発症すると、これらの器官に水膨れが発症し、症状が現れるのです(2)。
 
水膨れが音をとらえる蝸牛の近くに出ると、めまいよりも難聴の症状が強く出ます(2)。反対に三半規管と耳石器の近くに出ると、平衡機能が阻害されてめまいの症状が強く出ます(2)。
 
 

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メニエール病の原因は?

 
先ほど述べた通り、メニエール病の原因は内耳にできる内リンパ水腫です。
この水膨れができてしまう原因は、詳しくはまだわかっていませんが、
 
アレルギー
・血流不全
・ウイルス
・免疫の低下(疲労、睡眠不足など)
・ストレス

 
が考えられています(2)(3)。
 
「 メニエール病の原因 」について詳しく知るにはコチラ
 
 

メニエール病の症状

 
メニエール病の症状は「初期」「活動期」「慢性期」と移り変わっていきます(3)。
 
初期では多くの場合、めまいよりも難聴や耳鳴りの症状が気になってきます。これらの症状が何度も繰り返されると、めまいの発作を引き起こすようになるのです。
 
活動期では、めまいの発作を繰り返す活動期と安定している時期を繰り返すようになります。発作の頻度は人によって異なりますが、多くの場合活動期は2~3か月続きます。活動期と安定している時期を繰り返し、慢性期に入ると蝸牛の機能が低下し、音が聞こえづらくなってきます。
平衡器官の感覚も低下しますが、この部分は他の部分が機能を補ってくれるため、むしろめまいは治まった、または軽くなったと感じるようになります。
 
「 メニエール病の症状 」について詳しく知るにはコチラ
 
 

メニエール病の治療

 
メニエール病の治療は難しく、基本的にはその症状の緩和を目指す治療法が取られています(4)。
メニエール病の治療法としては、
 
・薬物治療
・栄養療法
・手術

 
などの方法が挙げられます。
 
 

薬物療法

メニエール病中心的な治療法です。症状に対して治療薬を処方し、それを服用することで発作予防を行うというものになります(4)。
 
メニエール病は時期によって症状が異なるため、違った薬が処方されます。活動期はめまいの症状がひどいことが多いため、その症状を抑えるための薬と、発作と同時に起こる不安感を解消するための薬が処方されます。めまいには市販の酔い止め薬も効果がありますが、持病を持っている方は使えないことがあるのでよく確認してから購入するようにしましょう。
 
対して慢性期の治療では、水膨れ肥大を抑制し、軽くするために、体内の余分な水分を排出させる利尿剤や低下した張力の改善のためにビタミン剤を用います。
 
【メニエール病の治療の主な薬】
・抗めまい薬、鎮吐薬:神経の興奮を抑え、めまいや吐き気を和らげる
自律神経調整役:自律神経のバランスを整え、症状を緩和する
・血流改善薬:血液循環を活発化させ、内リンパ水腫の吸収を促す
・炭酸水素ナトリウム:内耳の血流をアップさせる
・精神安定剤、抗不安剤:めまいによる不安を和らげる
・ビタミン剤
・利尿剤
 
 

栄養療法

めまいなどに効果的な栄養素を摂取することで症状の緩和や予防を目指す方法です(4)。発作の予防には主にビタミンや食物繊維が効果的とされています。また最近では、アミノ酸などの酵素による症状の改善が注目されています。
 
・ビタミン
末梢神経の働きに効果があります。メニエール病の症状である難聴、めまい、耳鳴りに効果があるビタミンは、ビタミンBやビタミンEなどが挙げられます(5)。食品としてはカキ、サンマ、アサリ、レバーなどが挙げられます。
 
 
・食物繊維
食物繊維を摂取することで血流の改善を促し、耳に酸素や栄養を行きわたらせやすくして症状を緩和させることができます。野菜や豆、いも、穀類、海藻などに多く含まれます。
 
 
・酵素
酵素は、自律神経やホルモンバランスを整える効果や血行を促進する働きをもつアミノ酸を多く含んでいます。ホルモンバランスの調整や血流の促進はめまいの改善に効果があります。
 
 

手術

前項で紹介した方法で症状がおさまらない場合は、手術を検討します(4)。
メニエール病の手術で良く行われるのが、「内リンパ嚢解放術」又は「前庭切断手術」です。
 
・内リンパ嚢解放術
内リンパ嚢と呼ばれる部分に穴をあけ、リンパ圧を減圧させて症状の改善を目指します。
 
 
・前庭神経切断術
聴覚神経に傷を付けず平衡感覚を司る前庭神経を切断します。
 
 

留意事項

 
メニエール病の治療は、長期的な通院が必要になることもあります。
通院が面倒だったり、症状が緩和されてきたからと言って勝手に治療をやめてしまうと、症状が慢性化してしまう危険性があります(4)。メニエール病の改善には継続的な治療が大切なのです。
 
 
【参考文献】
(1) 日本神経学会 http://www.neurology-jp.org/public/disease/memai_s.html
(2) 井上耳鼻咽科 http://inoue-jibika.jp/meniere/index.html
(3) メニエール病ガイド http://www.menieru.com/what/about.html
(4) メニエール病の原因、症状と治療法がよくわかる改善ガイド http://www.guide-meniere.com/therapeutics/medicine.html
(5) 新宿溝口クリニック http://www.shinjuku-clinic.jp/trouble/613.html
 
 
<執筆者プロフィール>
須賀 香穂里(すが・かほり)
神奈川大学人間科学部・人間科学科所属。社会心理学や人間関係をテーマとした執筆活動を行っている
 
 

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